ホーム運動系

HEALTH WORDS / 用語解説

運動系

運動系とは、脳や脊髄などの中枢神経系からの指令を受けて、骨格筋を収縮させることで身体の運動や姿勢の保持を実現する一連の生理的な機能および神経回路の総称である。1 運動系は随意運動や不随意運動、さらには反射などを統合的に制御し、人間が円滑に身体活動を行う上で不可欠な役割を担っている。2

人間の運動系は、大脳皮質の運動野における運動の計画および立案から始まる。1 大脳皮質で生成された神経信号は、錐体路および錐体外路という主要な神経線維の経路を通じて脊髄へと下行する。2 錐体路は主として随意運動の実行に関与し、四肢の末梢神経を介して骨格筋へと直接的な指令を伝える。1 一方で錐体外路は、大脳基底核や小脳などと密接に連携しながら運動の調節、筋緊張の維持、姿勢の制御などの複雑な不随意運動的側面を補佐し、運動系全体の円滑性を保つ役割を果たしている。2

運動系の機能障害は、脳血管障害や脊髄損傷、さらにはパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患を引き起こす主因となる。2 これらの疾患や障害に対しては、リハビリテーションを通じて運動系の残存機能を賦活化し、失われた運動機能の再学習や代償機能の獲得を目指す治療および訓練が実施される。1 また、日常的な身体活動や運動を継続的に行うことは、運動系を構成する骨格筋や関節、神経系への適度な負荷となり、加齢に伴う筋力低下やロコモティブシンドロームの予防、ひいては健康寿命の延伸に大きく寄与することが明らかにされている。2

参考文献・出典

  1. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-056.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/content/000863071.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5