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HEALTH WORDS / 用語解説

開放創

Open wound

開放創とは、皮膚や粘膜などの外表が損傷し、内部の組織や器官が外界に直接露出している創傷の状態を指す。1

外傷や手術などによって引き起こされる創傷は、その皮膚の連続性が保たれているかどうかによって、閉鎖創と開放創に大別される。開放創では、皮膚の防御機能が破綻しているため、外界からの細菌や異物が創部へ直接侵入しやすく、感染症を発症するリスクが極めて高い点が特徴である。

開放創には様々な形態が存在し、その受傷機転や損傷の深さ、形状によって細分化される。代表的なものとして、鋭利な刃物やガラスの破片などによって皮膚が滑らかに切断される切創、鈍的外力が加わることで皮膚や皮下組織が不規則に引き裂かれる挫創、先のとがった釘や針などが突き刺さることで生じる刺創、摩擦によって皮膚の表面が削り取られる擦過創、そして動物に噛まれることで生じる咬創などが含まれる。それぞれの形態によって組織の壊死範囲や出血の程度、汚染の度合いが異なるため、治療方針の決定において重要な鑑別要素となる。

開放創に対する初期治療および処置においては、感染の予防と止血が最優先の課題となる。まず、大量の生理食塩水や滅菌水を用いた洗浄(創傷洗浄)を行うことで、創部に付着した泥、砂、細菌などの異物を徹底的に除去する必要がある。異物や壊死した組織が創内に残存していると、治癒が遅延するだけでなく、化膿や破傷風などの重篤な合併症を引き起こす原因となる。

洗浄およびデブリドマン(壊死組織切除)が完了した後は、創の状態や受傷からの経過時間に応じて縫合による閉鎖が行われる。しかし、受傷後長時間が経過して強い汚染が懸念される場合や、組織の欠損が大きい場合には、あえて縫合を行わずに開放療法を選択し、湿潤療法などを活用しながら肉芽組織の形成を促すことがある。また、破傷風の予防としてワクチン接種や抗毒素の投与が検討されるほか、二次感染を抑制するために抗菌薬の投与が行われる場合もある。

治癒過程においては、止血期、炎症期、増殖期、組織改編期(リモデリング期)という一連の生理学的プロセスを経て、創傷治癒が進行する。開放創は閉鎖創と比較して外界との交通があるため、炎症期が長引きやすく、適切な管理が行われない場合には肥厚性瘢痕やケロイド、あるいは慢性創傷へと移行するリスクが高まる。したがって、受傷初期の適切な処置から治癒に至るまでの継続的な全身管理および局所管理が極めて重要となる。2

参考文献・出典

  1. 一般社団法人日本外傷学会 外傷初期診療ガイドラインJATEC: https://www.jts-online.jp/jatec/ ↩
  2. 国立医薬品食品衛生研究所 安全性情報: https://www.nihs.go.jp/ ↩