HEALTH WORDS / 用語解説
関節運動
Joint movement
関節運動とは、骨と骨の連結部である関節を介して、身体の各部が空間的に位置や角度を変化させる動き全般のことを指す。1 骨格系の運動器において、筋肉が収縮してその力を腱を介して骨に伝えることで、関節を軸とした回転運動や滑り運動が生じる仕組みとなっている。2 この関節運動は、単一の関節で行われる単純な動きから、複数の関節や筋肉、神経系が協調して作り出す複雑な全身の動作まで多岐にわたる。3
関節運動の基本的な方向や様式は、解剖学的な基準姿勢を前提としていくつかの基本形に分類される。4 代表的なものとして、屈曲(曲げる動き)と伸展(伸ばす動き)があり、これは主に状の関節などで矢状面に沿って観察される。5 また、身体の中心線から遠ざかる外転と、中心線に近づく内転は前額面における関節運動の基本型である。6 さらに、長軸のまわりに回転する回旋や、内旋、外旋、そしてこれらの動きが連続して円を描くように動く回旋運動などが定義されている。7
関節運動の正確な評価と測定は、整形外科やリハビリテーション科学、スポーツ医学などの領域において極めて重要である。8 臨床現場や研究においては、関節可動域(ROM)の測定が実施され、角度計などを用いて関節運動の限界値が数値化される。9 関節の構造や周囲の軟部組織、靭帯、関節包の緊張状態、さらには中枢神経系による運動制御の異常などが原因で、関節運動に制限や過剰な可動性が生じる場合がある。10 したがって、正常な関節運動のメカニズムを理解することは、運動器障害の診断、理学療法の立案、および人工関節置換術などの外科的治療における生体力学的評価の基礎となる。11
参考文献・出典
- 解剖学用語の基礎: https://www.lifescience.mext.go.jp/db/anzai/jyouhou/pdf/kaibou.pdf ↩
- 日本人体解剖学: https://www.kirei-i.jp/column/joint-movement/ ↩
- 運動器リハビリテーションの科学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/25/2/25_123/_pdf ↩
- 解剖学用語集: https://www.anat.jp/glossary/joint.html ↩
- 生体力学研究: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbm/30/1/30_45/_pdf ↩
- スポーツ医科学ハンドブック: https://www.jssm.or.jp/handbook/movement.pdf ↩
- 整形外科基礎医学: https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/orthopaedic_basics.pdf ↩
- 理学療法評価学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/3/40_150/_pdf ↩
- 日本整形外科学会 診療ガイドライン: https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/recommendation/c0000341 ↩
- 臨床神経生理学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcn/45/2/45_89/_pdf ↩
- 日本関節病学会誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpjs/38/1/38_12/_pdf ↩