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HEALTH WORDS / 用語解説

電解液

Electrolyte solution

電解液とは、溶質がイオンに電離することで電気伝導性を示す液体、すなわち溶液のことである1。

一般的な物質を水などの溶媒に溶かした際、分子のまま存在するものと、陽イオンと陰イオンへと解離するものとに分かれる。 塩化ナトリウムなどの電解質を溶かした溶液では、溶質が完全にまたは部分的にイオンへと電離しており、この電離したイオンが電荷を運ぶことによって電流が流れる性質を持つ2。 反対に、砂糖のように水に溶けてもイオンに解離しない物質の溶液は非電解質溶液と呼ばれ、電気をほとんど通さない特徴がある。

電解液の電気的な伝導の仕組みは、金属などの固体における電子による伝導とは異なり、荷電粒子であるイオン自体の物理的な移動によって担われている。 そのため、電解液中における電流の通過は、物質の移動を伴う電気分解などの化学反応を引き起こす要因となる。 電解液の導電率(電気伝導率)は、溶けている電解質の濃度、イオンの価数、溶液の温度、およびイオンの移動度などに大きく依存する。 一般に、強電解質を高濃度で溶解させた溶液ほど高い導電性を示すが、極端な高濃度領域ではイオン間の静電相互作用による活動度の低下が生じるため、導電率が最大値を示した後に低下する場合もある。

生物学および医学の分野における電解液は、生体内において極めて重要な役割を担っている。 ヒトを含む哺乳類の体液、すなわち細胞外液や血漿、細胞内液などは、本質的にナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、クロライドなどの様々な電解質が溶解した複雑な電解液である生理食塩水や体液としての性質を有している。 これらの生体内の電解液は、細胞膜を介した電位差の維持、神経インパルスの伝導、筋肉の収縮、および浸透圧の調節といった生命維持に不可欠な生体機能を支える基盤となっている。 例えば、神経細胞や筋細胞の興奮性は、細胞の内外におけるナトリウムイオンやカリウムイオンの濃度勾配と、それに基づく膜電位の変化によって厳密に制御されている。

また、医療の現場では、脱水症状や電解質異常を来した患者に対して、水分と電解質を補給するための輸液製剤として様々な電解液が用いられる。 これには、人間の体液の滲透圧や電解質濃度に等しい等張液として設計された生理食塩液やリンゲル液などが含まれ、循環血液量の維持や酸塩基平衡の補正を目的として静脈内に投与される。

工業技術の領域においても、電解液は電池や電気化学デバイスの核心的な構成要素として広く利用されている。 二次電池である鉛蓄電池やリチウムイオン電池、さらには電気化学キャパシタなどの内部において、正極と負極の間でイオンを移動させるための媒体として電解液が不可欠である。 従来の電池では水系の電解液が主流であったが、近年では高電圧化や安全性の向上のために、有機溶媒を用いた非水電解液や、固体電解質の開発など、多様な形態の電解液に関する研究が進められている。

参考文献・出典

  1. 化学用語辞典: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakukogyo/74/4/74_287/_pdf ↩
  2. 物理化学データベース: https://www.j-stage.jst.go.jp/article/bistry/25/3/25_110/_pdf ↩