HEALTH WORDS / 用語解説
頚動脈肥厚
Carotid artery thickening
頚動脈肥厚とは、全身へ血液を送り出す主要な血管である頚動脈の壁が厚くなった状態を指す医学用語である。1
一般的に、頚動脈エコー検査などの超音波検査において、内中膜肥厚度(IMT)が特定の基準値(通常0.1cm以上など)を超えた場合にそのように評価される。2
頚動脈は体の深部から浅い部分を走行しているため、超音波検査を用いることで血管の形態や血流の状態を非侵襲的かつ詳細に観察することが可能である。3
頚動脈肥厚は、全身の動脈硬化の進行度を反映する重要な指標の一つとして広く認知されている。4
加齢に伴い血管の壁は自然に変化するが、脂質異常症、高血圧、糖尿病、喫煙などの動脈硬化危険因子が蓄積すると、この肥厚が病的に促進される。2
動脈硬化がさらに進行すると、内膜表面にプラークと呼ばれる隆起性病変が形成され、血管の内腔が狭小化する狭窄を引き起こすことがある。1
頚動脈肥厚やプラークの存在は、脳血流の低下を招くだけでなく、プラークが破綻して血栓を生じることで脳梗塞などの脳血管障害を発症するリスクを高める。2
また、頚動脈の病変を有する患者においては、冠動脈疾患をはじめとする他の心血管疾患の合併リスクも高いことが知られている。4
そのため、健康診断や人間ドックなどのスクリーニング検査で頚動脈肥厚が発見された場合には、生活習慣の改善や薬物療法を通じて動脈硬化危険因子を適切に管理することが重要視される。2
参考文献・出典
- 循環器病情報サービス: https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/hosp-file/circulatory-disease/cd-55/ ↩1 ↩2
- 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-079.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 日本超音波医学会: https://www.jsum.or.jp/public/dictionary/detail.html?c=165 ↩
- 国立循環器病研究センター: https://www.ncvc.go.jp/pr/pub/circul/pdf/69/circul69.pdf ↩1 ↩2