ホーム高リスクHPV

HEALTH WORDS / 用語解説

高リスクHPV

High-risk HPV

高リスクHPVとは、持続感染することにより子宮頸癌やその他の悪性腫瘍を引き起こす可能性が高いヒトパピローマウイルスの特定の遺伝子型を指す総称である。1

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、主に性的接触によって粘膜や皮膚から感染する一般的なウイルスであり、これまでに200種類以上の遺伝子型が同定されている。2

その中で、子宮頸癌患者の組織から高頻度に検出されるグループが高リスクHPVに分類され、国際がん研究機関(IARC)などにより発がん性があると評価されている。1

代表的な遺伝子型としてはHPV16型および18型が挙げられ、これら2つの型は世界中の子宮頸癌の過半数の原因となっているほか、52型、58型などもアジア圏を含めて頻度の高い高リスク型として知られている。2

高リスクHPVの感染自体は性経験を持つ女性の多くが一生に一度は経験するといわれるほど頻繁であるが、大多数の感染者では免疫応答によりウイルスが自然に排除される。1

しかし、免疫機能の低下やウイルスの持続感染が成立した場合には、数年から数十年にわたって感染状態が継続し、上皮内異形成を経て浸潤癌へと進展するリスクが高まる。2

子宮頸癌だけでなく、外陰癌、膣癌、陰茎癌、肛門癌、ならびに中咽頭癌などの頭頸部領域の悪性腫瘍の発生にも高リスクHPVの関与が強く指摘されている。1

医療現場における予防医学的対策としては、高リスクHPVのなかでも特に病原性の高い型に対するHPVワクチン(2価ワクチン、4価ワクチン、9価ワクチンなど)の接種が、前癌病変や癌の発生を予防する上で極めて有効であると位置づけられている。2

また、二次予防としては、子宮頸部細胞診と高リスクHPVの有無を調べるHPV検査を組み合わせた子宮頸がん検診を実施することにより、前癌病変を早期に発見し適切な治療につなげる取り組みが広く行われている。1

参考文献・出典

  1. 国立がん研究センター 癌対策情報センター: https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkasaibou/hpv/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4