HEALTH WORDS / 用語解説
B-Raf
B-Raf
B-Rafとは、ヒト遺伝子の一つであり、細胞内のシグナル伝達経路であるMAPK/ERKシグナル伝達経路において重要な役割を果たすプロテインキナーゼをコードしている。1 2
B-Rafタンパク質はセリン・スレオニンキナーゼファミリーに属しており、細胞の増殖、分化、生存などの様々な生理学的プロセスの制御に関与している。3 1
正常な状態において、B-Rafは上皮成長因子受容体などの受容体からのシグナルを受け取り、下流に位置するMEKなどのキナーゼをリン酸化することで活性化のカスケードを引き起こす。2
しかしながら、B-Raf遺伝子に変異が生じると、タンパク質のキナーゼ活性が異常に高まり、細胞が持続的に増殖するシグナルを送り続ける原因となる。1 2
B-Raf遺伝子変異は、悪性黒色腫(メラノーマ)、大腸がん、甲状腺がんなど、多くのヒトがんにおいて高頻度で検出されることが知られている。2 4
特に悪性黒色腫においては、コドン600番目のバリンがグルタミン酸に置換されるV600E変異が最も一般的に見出されるドライバー遺伝子変異の一つである。1 2
このようなB-Raf遺伝子変異を有するがんに対しては、分子標的薬であるB-Raf阻害薬やMEK阻害薬を用いた薬物療法が開発され、臨床の現場で広く応用されている。5 6
参考文献・出典
- Genetics Home Reference: https://medlineplus.gov/genetics/gene/braf/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- NCI Dictionary of Cancer Terms: https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/b-raf-gene ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- KEGG GENES: hsa:673: https://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?hsa:673 ↩
- KEGG PATHWAY: hsa05210: https://www.genome.jp/pathway/hsa05210 ↩
- NCI Dictionary of Cancer Terms: https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/b-raf-inhibitor ↩
- KEGG PATHWAY: hsa05218: https://www.genome.jp/pathway/hsa05218 ↩