HEALTH WORDS / 用語解説
ClC-7
Chloride Channel 7
ClC-7とは、CLCファミリーに属するクロライドチャネル、または対向輸送体である。1 主として細胞内のリソソームや破骨細胞の波状縁といった酸性小胞の膜に局在しており、細胞生物学および骨代謝の分野において重要な役割を担っている。2
ClC-7は、細胞質側へプロトン($H^+$)を運び込むと同時に塩化物イオン($Cl^-$)を小胞内へと汲み出す2塩化物イオン/1プロトン対向輸送体として機能することが知られている。3 このイオン輸送メカニズムによって小胞内の酸性化(pHの低下)が維持され、リソソーム内部に存在する加水分解酵素の最適な活性環境が保たれている。2
骨代謝のプロセスにおいては、破骨細胞が骨を吸収する際に波状縁と呼ばれる特殊な細胞膜領域にClC-7が大量に集積する。3 ここでClC-7は、プロトンポンプ(V型ATPase)によって骨吸収窩へと放出されるプロトンと電荷のバランスを電気的に中性化(シャント電流の供給)し、骨を溶解させるための強力な酸性環境の形成を可能にしている。2
ヒトにおいてClC-7をコードする遺伝子はCLCN7であり、この遺伝子の変異はヒトの疾患の原因となることが明らかにされている。1 例えば、CLCN7遺伝子の機能喪失型変異は、破骨細胞の骨吸収能不全を引き起こし、骨が異常に硬くなる骨大理石病(大理石骨病)の重篤な病型を引き起こす。2 さらに、CLCN7の変異の種類や位置によっては、骨の異常だけでなく神経変性疾患を伴う病態が引き起こされることもあり、中枢神経系におけるリソソーム機能障害との関連性についても活発に研究が行われている。3
参考文献・出典
- Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/ClC-7 ↩1 ↩2
- Anatomical Science International: https://link.springer.com/article/10.1007/s12565-021-00600-x ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- Nature Communications: https://www.nature.com/articles/s41467-020-16301-5 ↩1 ↩2 ↩3