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HEALTH WORDS / 用語解説

DEP

Diethyl phthalate

DEPとは、フタル酸エステルの一種であるジエチルルフタレートの略称であり、主にプラスチックの可塑剤や香料の保香剤として使用される化学物質である1。

常温では無色または淡黄色の液体であり、特有の芳香を持つかあるいは無臭に近い性質を有している。 水には溶けにくいが、エタノールなどの有機溶媒には溶解しやすい特徴がある。

産業分野においては、セルロース誘導体やポリ塩化ビニルなどの合成樹脂の柔軟性を高めるための可塑剤として広く利用されてきた。 また、化粧品や香水、ヘアスプレーなどのパーソナルケア製品において、香料の揮発を抑えて香りを長持ちさせるための成分としても添加されてきた歴史がある。

しかし、近年の環境化学や毒性学の研究において、内分泌かく乱作用(いわゆる環境ホルモン作用)の疑いや、人体への健康影響に関する懸念が持たれるようになった。 生体内に取り込まれた場合、肝臓や腎臓などの代謝機能に負担をかける可能性や、生殖系への毒性を示すことが動物実験などで指摘されている。

そのため、各国において化学物質としての規制やリスク評価の対象となっており、特に乳幼児が口にする可能性のある玩具や、直接肌に触れる化粧品などの製品群においては、使用の制限や代替物質への切り替えが進められている。 環境汚染物質としても注目されており、水質や底質、大気中の濃度モニタリングが定期的に実施されている。

人体への主な曝露経路としては、皮膚からの吸収や、残留物質を含む食品や飲料水の経口摂取、あるいは室内塵の吸入などが挙げられる。 日常生活において完全に避けることは困難であるものの、低濃度であれば体外へ速やかに排泄されることが知られている。 それでもなお、長期的な慢性毒性や複合曝露による影響についての科学的知見を集めるため、現在も国内外の研究機関による疫学調査や毒性試験が継続して行われている。2

参考文献・出典

  1. 厚生労働省職場のあんぜんサイト: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/kensaku/anzenprm/free/anzen/gm/30018-86-9.html ↩
  2. 環境省化学物質の環境リスク評価: https://www.env.go.jp/chemi/kisha/h14/0628.html ↩