HEALTH WORDS / 用語解説
IRS6
IRS6とは、インスリン受容体基質(Insulin receptor substrate)ファミリーに属するタンパク質の一つであるIRS6遺伝子によってコードされる分子である。1 インスリンおよびインスリン様成長因子のシグナル伝達経路において重要な役割を果たしていると考えられている。2
IRS6は、インスリン受容体が活性化した際にリン酸化されることで、下流のシグナル伝達分子と結合するためのドランキングサイトとして機能する。1 哺乳類のインスリン受容体基質ファミリーには複数のアイソフォームが存在し、IRS1やIRS2などが糖代謝や細胞成長の調節において主要な役割を担っていることがよく知られている。2 一方で、IRS6についても遺伝子レベルやタンパク質構造レベルでの解析が進められており、他のファミリー分子と同様にチロシン残基のリン酸化を介したシグナル伝達に関与することが示唆されている。1
ヒトゲノム解析などの研究において、IRS6をコードする遺伝子の染色体上の位置や、遺伝子多型と2型糖尿病をはじめとする代謝疾患との関連性を調べる遺伝統計学的な解析が行われてきた。1 インスリン抵抗性や糖代謝異常の病態生理学的なメカニズムを解明する上で、インスリン受容体基質全体の機能を網羅的に理解することが不可欠であり、IRS6はその多様なファミリーの一角として研究対象となっている。2
参考文献・出典
- アメリカ国立生物工学情報センター: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/84717 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/Q8UBV4/entry ↩1 ↩2 ↩3