HEALTH WORDS / 用語解説
Kir1.1
Kir1.1
Kir1.1とは、腎臓の遠位尿細管および集合管に主に発現し、カリウムの排泄や再吸収において重要な役割を果たす内向き整流性カリウムチャネルの一種である。1
Kir1.1はROMK(Rat Outer Medullary Potassium channel)としても知られており、KCNJ1遺伝子によってコードされている膜タンパク質である。2
このチャネルは、腎臓の髄質外層および皮質の集合管、さらにヘンレループの太い上行脚の管腔側に局在している。3
Kir1.1の生理学的な主要機能は、尿中へのカリウム分泌と塩分の再吸収の調節であり、体内のカリウム恒常性および血圧の維持に深く関与している。2
KCNJ1遺伝子における変異や機能異常は、常染色体劣性遺伝形式をとるバーター症候群のII型(Type II Bartter syndrome)の原因となることが知られている。2
バーター症候群II型を発症した患者では、生直後から重度な低カリウム血症、代謝性アルカローシス、高レニン血症、高アルドステロン血症、および低血圧や高カルシウム尿症などの電解質異常が引き起こされる。3
Kir1.1は、細胞内のATP濃度や細胞内pHの変化、あるいはプロテインキナーゼによるリン酸化などによってそのチャネル活性が精緻に調節されている。1
このように、Kir1.1は単なるイオンチャネルとしての機能にとどまらず、体液および電解質のバランスを保つ上で極めて重要な生体分子の一つとして位置づけられている。2
参考文献・出典
- UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/P48048/entry ↩1 ↩2
- 遺伝子疾患情報リスト: https://www.amed.go.jp/genetc/kcnj1.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK6908/ ↩1 ↩2