HEALTH WORDS / 用語解説
高アルドステロン血症
Hyperaldosteronism
高アルドステロン血症とは、副腎皮質から分泌されるアルドステロンが過剰になることにより、高血圧や低カリウム血症などを引き起こす病態の総称である。1
アルドステロンは副腎皮質の最外層である球状層で産生されるステロイドホルモンであり、腎臓の集合管に作用してナトリウムの再吸収とカリウムおよび水素イオンの排泄を促進する働きを持つ。2
このホルモンが過剰分泌されると、腎臓でのナトリウムおよび水分 retention(貯留)が亢進するため血圧が上昇し、同時に尿中へのカリウム排泄が増加して低カリウム血症が引き起こされる。2
高アルドステロン血症は、その病態の原因から原発性アルドステロン症と続発性アルドステロン症の大きく二つに分類される。3
原発性アルドステロン症は、副腎自体の異常(副腎皮質腫瘍や副腎皮質過形成など)によってアルドステロンが自律的に過剰産生される病態であり、レニン-アンジオテンシン系の活動性は抑制されているのが特徴である。1
一方、続発性アルドステロン症は、副腎以外の要因によって[[レニン-アンジオテンシン系]]が刺激され、その結果としてアルドステロンの分泌が二次的に亢進する病態を指す。2
続発性アルドステロン症を引き起こす主な原因としては、腎動脈狭窄症による腎血流量の低下、心不全、肝硬変に伴う有効循環血漿量の減少、あるいは悪性高血圧などが挙げられる。2
臨床症状としては、持続する高血圧が最も頻度が高く、一般的な降圧薬が効きにくい治療抵抗性を示すことが多い。1
また、低カリウム血症を伴う場合には、筋力低下、脱力感、四肢麻痺、多尿、口渇などの症状が現れることがあるが、血中カリウム値が正常範囲内にある患者も少なくない。3
長期にわたる過剰なアルドステロン作用は、血管や心筋の線維化を促進し、脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病などの心血管疾患や腎障害のリスクを著しく高めることが知られている。1
診断においては、血中のアルドステロン濃度とレニン活性の比(ARR: アルドステロン/レニン比)がスクリーニング検査として広く用いられ、高値を示す場合に生理食塩負荷試験やカプトプリル負荷試験などの確認検査が行われる。2
さらに、原発性アルドステロン症と診断された場合には、左右どちらの副腎に病変があるかを特定するため、副腎静脈サンプリングなどの画像診断や副腎造影CT検査が実施される。1
治療方針は原因疾患により異なり、副腎皮質腫瘍などの片側性病変に対しては腹腔鏡下副腎摘出術などの外科的手術が第一選択となり、治癒が期待できる。2
両側の副腎皮質過形成や手術適応とならない場合、あるいは続発性アルドステロン症の場合は、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(スピロノラクトンやエプレレノンなど)を用いた薬物療法による血圧および電解質異常の管理が行われる。1