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HEALTH WORDS / 用語解説

REDD1

REDD1とは、ストレス応答や低酸素状態、DNA損傷などによって細胞内で誘導されるタンパク質であり、主にmTORC1シグナル伝達経路を強力に抑制することで細胞成長やタンパク質合成を負に調節する分子である1。

REDD1は「Regulated in development and DNA damage responses 1」の略称であり、遺伝子名としてはDDIT4(DNA damage-inducible transcript 4)とも呼ばれている1。

このタンパク質は、正常な組織においては比較的低い発現量に抑えられているが、細胞が様々なストレス環境に晒された際に急激に誘導される特性を持っている2。

REDD1の主な細胞内での機能は、mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)複合体の活性化を阻害することである2。

mTORC1は細胞の増殖、代謝、タンパク質合成を促進する中心的な酵素複合体であるが、ストレス時にREDD1が発現すると、TSC1およびTSC2(tuberous sclerosis complex)タンパク質を介してmTORC1の活性が低下する2。

これにより、エネルギー消費を伴うタンパク質合成などの同化代謝が一時的に停止され、細胞が過酷な環境下で生存するためのエネルギー温存や自食作用(オートファジー)の誘導が行われる。

医学や生物学の分野において、REDD1は低酸素応答のメカニズム解明において重要な研究対象となっている1。

低酸素誘導因子(HIF)とは独立した経路で低酸素に応答して発現することが知られており、組織の虚血や炎症時における細胞運命の決定に関与している2。

また、インスリン抵抗性や2型糖尿病などの代謝疾患における糖代謝やインスリンシグナルへの影響についても解析が進められており、骨格筋や脂肪組織におけるインスリン作用の減弱にREDD1が関与していることが示されている2。

さらに、がんの細胞においては、腫瘍微小環境における低酸素や代謝ストレスに適応するためのサバイバル因子として機能する場合がある一方で、過剰なストレスによるアポトーシス(細胞死)の誘導に関与するなど、がんの進展や治療抵抗性との関連性も注目されている2。

このようにREDD1は、細胞のストレス応答、代謝制御、および疾患病態の理解において極めて重要な役割を果たす分子として研究が続けられている1。

参考文献・出典

  1. NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/84545 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. PubMed Central: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4287817/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6