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HEALTH WORDS / 用語解説

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エトミデートとは、主として全身の麻酔導入に用いられる超短時間作用型の静脈性麻酔薬である。1 GABAA受容体を介して中枢神経系の抑制的な神経伝達を促進することで、速やかな鎮静や催眠作用をもたらす特徴を持っている。2

本剤の大きな特徴として、心血管系への循環動態に対する副作用が比較的少ない点が挙げられる。1 そのため、血圧低下のリスクが高い高齢者や、循環不全・心疾患を有する患者の麻酔導入において有用な薬剤として選択されることがある。2

一方で、エトミデートの臨床上の大きな課題として、副腎皮質のステロイド合成酵素である11β-水酸化酵素を可逆的に阻害することが知られている。1 これにより一時的な副腎皮質機能抑制(副腎抑制)が引き起こされ、生体のストレス応答におけるコルチゾールなどの分泌が一時的に低下するため、長時間の持続投与や敗血症などの重症患者における使用には十分な注意が必要とされる。2

さらに、投与時に血管痛や、不随意運動である筋クローヌス(筋肉の不規則なピクつき)が高頻度で発生することがある。1 これらの不随意運動は患者にとって苦痛を伴う場合があるため、前投薬としてオピオイド系鎮痛薬やベンゾジアゼピン系薬剤を併用することで発現を軽減させる工夫が臨床現場で行われている。2

このように、エトミデートは循環変動が少ないという優れた血行動態保持効果を持つ一方で、内分泌系への影響や筋クローヌスといった独自の副作用を併せ持つ静脈麻酔薬である。1 そのため、個々の患者の病態や手術の目的に応じて、他の麻酔薬や鎮静薬とのベネフィット・リスク評価を行った上で慎重に投与されることが求められている。2

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/400192_1113004X1035_2_02 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndl_pid/pid/11613134 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5