HEALTH WORDS / 用語解説
RalA
RalA
RalAとは、低分子量G蛋白質スーパーファミリーのRasファミリーに属するGTP結合蛋白質の一種である。1
RalAは、細胞内においてシグナル伝達、細胞骨格の制御、エンドサイトーシス、エキソサイトーシスなど、多様な細胞生物学的プロセスにおいて中心的な役割を果たしている。2
ヒトゲノムにおいて、RalAをコードする遺伝子はRALA遺伝子として知られており、アミノ酸配列の類似性が高いRalBとともにRalGTPaseサブファミリーを構成している。2
分子生物学および生化学の分野において、RalAは不活性型であるGDP結合型と、活性型であるGTP結合型の間を循環することで、分子スイッチとして機能することが明らかにされている。1
このGTPase活性の切り替えは、上流からのシグナル伝達物質によって制御されるグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)やGTPase活性化タンパク質(GAP)などの制御因子を介して精密に調節されている。2
活性化したRalAは、下流のエフェクター分子群と特異的に結合し、細胞増殖や細胞生存、さらには細胞遊走を促す一連の生化学反応経路を活性化する。1
特に腫瘍生物学の領域では、RalAががん遺伝子であるRasの下流エフェクターとして働き、悪性腫瘍の浸潤や転移の過程において極めて重要な寄与をしていることが多くの学術論文で報告されている。2
加えて、RalAは神経シナプスにおける神経伝達物質の開口分泌や、インスリン刺激に応答した糖輸送体の細胞膜への移行など、非腫瘍性の生理現象においても不可欠な分子機構を担っていることが示されている。1
参考文献・出典
- Genetics Home Reference: https://medlineplus.gov/genetics/gene/rala/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/5898 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4