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HEALTH WORDS / 用語解説

Viral hemorrhagic septicemia virus

[[ウイルス性出血性敗血症ウイルス]]

ウイルス性出血性敗血症ウイルス(Viral hemorrhagic septicemia virus: VHSV)とは、主にサケ科やカレイ科をはじめとする多様な魚類に重大な感染症を引き起こすモノネガウイルス目、ラブドウイルス科に属するRNAウイルスの一種である。1

本ウイルスによって引き起こされるウイルス性出血性敗血症(Viral hemorrhagic septicemia: VHS)は、世界動物保健機関(WOAH)の疾病リストに指定されている国際的にも極めて重要な魚病の一つである。2

VHSVの宿主範囲は非常に広く、淡水魚から海水魚まで100種を超える魚種から分離あるいは検出されている。3

感染した魚類に見られる主な臨床症状としては、体表の出血、眼球突出、腹水貯留による腹部膨満、体色黒化などの外見的特徴のほか、内臓諸器官の出血や壊死が挙げられる。3

特に水温が低い環境(一般的に4度から14度程度)において病原性や致死率が高まる傾向があり、養殖場などの閉鎖環境や高密度飼育下では爆発的な感染拡大を引き起こすことがある。2

本ウイルスは遺伝学的な特徴や地理的分布に基づいていくつかの遺伝子型(ジェノタイプ)に分類されており、欧州株、北米株、アジア株などに大別される。1

それぞれの遺伝子型によって適応する宿主や毒性の強さが異なることが知られており、水産業や水産資源の保護の観点から警戒されている。3

感染経路としては、病魚との直接接触だけでなく、排泄物を介した水平感染や、汚染された飼育水、器具などを通じた伝播が挙げられる。2

さらに、症状を示さない保菌魚や野生魚がウイルスの伝播源となるため、養殖施設への持ち込み防止や防疫管理が極めて重要となる。3

診断にあたっては、臨床症状や病理組織学的検査に加え、細胞培養を用いたウイルス分離法や、遺伝子を特異的に検出するPCR法などの分子生物学的手法が用いられる。2

現在のところ、確立された有効な治療薬は存在しないため、発生地域の隔離、移動制限、消毒の徹底、およびウイルス陰性が確認された種苗の導入といった予防措置が中心的な対策となっている。2

参考文献・出典

  1. Genomic Taxonomy Database: https://gtdb.ecogenomic.org/tree?r=s__Viral+hemorrhagic+septemicide+virus ↩1 ↩2
  2. WOAH: https://www.woah.org/en/what-we-do/standards/codes-and-manuals/aquatic-manual-online-access/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  3. 国立研究開発法人 水産研究・教育機構: https://www.fra.go.jp/shigen/jigyo/byoki/pdf/r3_02.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4