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HEALTH WORDS / 用語解説

アドレノクロム

Adrenochrome

アドレノクロムとは、アドレナリン(エピネフリン)の酸化によって生じる有機化合物であり、生体内でのカテコールアミンの代謝過程において生成される副産物の一つである。1

化学構造的にはインドール環を持つキノン誘導体であり、分子式は$C_9H_9NO_3$で表される。アドレナリンの分子が酵素的な酸化あるいは非酵素的な自動酸化を受けることで、アミノクロームの一種として生成されることが知られている。1

生化学および薬理学の研究において、アドレノクロムは心血管系に対する作用や血液凝固に関与する物質として古くから調査されてきた。血管の収縮や止血作用に関する研究が一部の基礎医学領域で行われた歴史があるものの、現代の臨床医学において主要な医薬品として広く用いられているわけではない。2

20世紀中盤から後半にかけての精神医学や神経科学の分野では、アドレノクロムの代謝異常が統合失調症などの精神疾患の病因に関与しているのではないかという「アドレノクロム仮説」が提唱されたことがある。この仮説では、体内で生成されたアドレノクロムやその関連物質が脳内で幻覚作用などの精神病症状を引き起こす神経毒として働く可能性が議論された。しかしながら、これらの仮説を支持する決定的な臨床的証拠は十分に得られておらず、現代の精神医学的治療や診断基準においてアドレノクロムが直接的な原因物質として扱われることは一般的ではない。3

このように、アドレノクロムはカテコールアミン代謝の文脈における生化学的な中間代謝物あるいは酸化生成物として位置づけられており、学術的研究の対象として扱われてきた歴史を持っている。1

参考文献・出典

  1. PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Adrenochrome ↩1 ↩2 ↩3
  2. National Center for Biotechnology Information: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Adrenochrome ↩
  3. National Center for Biotechnology Information: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/13620743/ ↩