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HEALTH WORDS / 用語解説

ケジラミ

ケジラミとは、ヒトの陰毛や毛髪などに寄生して吸血し、強い瘙痒感(かゆみ)を引き起こす昆虫の一種である。1 シラミ目(Phthiraptera)のケジラミ科に分類され、学名をPthirus pubisと称する。2 ヒトを唯一の宿主とする外部寄生虫であり、世界中に広く分布している。1

成虫の体長は雄が約1.0〜1.2ミリメートル、雌が約1.1〜1.5ミリメートルであり、アタマジラミやコロモジラミと比較して体長が短く横幅が広い独特の体型をしている。2 胸部および腹部の幅が広く、歩脚の先端にある爪が強力に発達しているため、太い陰毛にしがみつくのに適した構造となっている。1 生涯のほとんどを宿主の毛にしがみついて過ごし、ヒトの血液を唯一の栄養源として生活している。2

生活環としては、卵、若虫、成虫の段階を経て発育する。1 雌は毛の根元近くにしっかりと卵を産み付ける。この卵は一般に「アト」と呼ばれることがある。2 卵は約1週間で孵化して若虫となり、3回の脱皮を経て約2週間で成虫へと成長する。1 成虫の寿命は約1ヶ月程度であり、その間に雌は多数の産卵を行う。2 宿主から離れた環境下では、吸血できないため通常は数日以内に死亡する。1

主な感染経路は、性行為などによる密接な接触である。1 そのため、性感染症の一つとして扱われることが多い。2 また、性行為以外にも、ケジラミに寄生された人が使用した寝具、タオル、衣類などを共有することによっても伝播することがある。1 かつては銭湯の脱衣所のマットなどを介して広まると考えられたが、現代においては衛生環境の向上や生活様式の変化により、主に成人間の性的接触を通じた伝播が主流となっている。3

臨床的な症状としては、激しい瘙痒感が挙げられる。1 これはケジラミが吸血する際に分泌する唾液に対するアレルギー反応や炎症反応に起因する。2 かゆみは特に夜間に強くなる傾向がある。1 持続的な掻破(ひっかくこと)により、皮膚炎や二次感染を引き起こすことがある。2 また、吸血された部位には青灰色から灰褐色の青斑(色素斑)が現れることが特徴的であり、診断の重要な手がかりとなる。1

診断は、患部を肉眼あるいはルーペや実体顕微鏡を用いて観察し、成虫や卵を確認することによって行われる。2 陰毛だけでなく、腋毛、胸毛、すね毛、さらには眉毛やまつ毛など、他の有毛部にも寄生することがあるため、全身の観察が必要となる場合がある。1 特に乳幼児のまつ毛に寄生が見られた場合には、保護者からの感染や虐待等の背景がないか慎重な精査が求められることがある。2

治療には、フェノトリンなどを有効成分とする医薬品のシャンプーやパウダー、ローションが用いられる。1 用法・用量を守って患部に塗布・洗浄し、駆

参考文献・出典

  1. 東京都福祉保健局: https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kansen/kansen/kezirami.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
  2. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/529-phthiraptera-intro.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
  3. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/529-phthirapers-intro.html ↩