HEALTH WORDS / 用語解説
セレジスト
Seligest
セレジストとは、ヒトインターフェロン・ベータ(IFN-$\beta$)製剤の一つであり、遺伝子組み換え技術によって製造される組換えタンパク質医薬品である。1
インターフェロン・ベータは、ウイルス感染などの生体防御応答において線維芽細胞や上皮細胞などから産生される糖タンパク質であり、強力な抗ウイルス作用や細胞増殖抑制作用、免疫調整作用を示すサイトカインの一種である。2
セレジストの主成分である天然型インターフェロン・ベータは、宿主細胞として哺乳動物細胞を用いて遺伝子組み換え手法により産生されるため、天然のヒト由来タンパク質と同一のアミノ酸配列および糖鎖構造を有しているという特徴がある。3
薬理作用として、セレジストは標的細胞の細胞膜上に存在するインターフェロン受容体(IFNAR)に特異的に結合する。4
受容体への結合によりJAK-STAT経路などの細胞内シグナル伝達系が活性化され、最終的に多数のインターフェロン誘導遺伝子(ISG)の発現が誘導されることで、多様な生物学的効果を発揮する。5
臨床応用においては、その優れた抗腫瘍効果や免疫調節作用に基づき、特定の悪性腫瘍に対する化学療法や免疫療法の一環として用いられることがある。6
投与経路としては、通常注射剤として静脈内投与、筋肉内投与、あるいは局所投与され、体内の血中濃度や薬物動態を考慮した投与スケジュールが設定される。7
副作用としては、一般的なインターフェロン製剤と同様に、発熱、悪寒、頭痛、倦怠感などのインフルエンザ様症状や、骨髄抑制に伴う白血球減少、血小板減少などが現れることがあるため、定期的な血液検査などの厳重な安全性のモニタリングが必要とされる。8
また、長期投与により中和抗体が産生され、薬剤耐性や薬効減弱を引き起こす可能性についても考慮しなければならない。9
参考文献・出典
- 医薬品医療機器総合機構 添付文書情報: https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6250400D1023_1_04/ ↩
- 一般社団法人日本臨床検査医学会 臨床検査用語集: https://www.jslm.org/glossary/index.html ↩
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審査報告書: https://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P201600108/index.html ↩
- KEGG MEDICUS データベース: https://www.kegg.jp/medicus-bin/japid_motif?hwa=H01234 ↩
- 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 成果報告: https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20200331-01.html ↩
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html ↩
- 厚生労働省 医薬品データベース: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/index.html ↩
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 副作用情報: https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/index.html ↩
- 国立医薬品食品衛生研究所 安全性情報: https://www.nihs.go.jp/dig/index.html ↩