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HEALTH WORDS / 用語解説

哺乳動物細胞

Mammalian cells

哺乳動物細胞とは、哺乳類の組織または臓器に由来する真核細胞の総称であり、現代の生命科学研究やバイオ医薬品製造において最も重要視される細胞群の一つである。1

哺乳動物細胞は、他の生物種由来の細胞と比較して複雑なタンパク質の翻訳後修飾を行う能力を持つため、ヒトの疾患メカニズムの解明や医薬品開発において不可欠な実験系として広く利用されている。2

基礎研究の分野においては、細胞生物学、遺伝学、発生生物学などの多岐にわたる領域で、生体内における細胞の挙動を模倣するモデルとして活用されている。3

また、医学および薬学の領域では、ウイルス学研究におけるウイルスの増殖宿主や、新規分子標的薬をはじめとする抗体医薬品やホルモン製剤などのバイオ医薬品を生産するための宿主細胞として産業的にも極めて高い価値を有している。4

哺乳動物細胞を体外で維持・増殖させる細胞培養技術においては、温度、pH、二酸化炭素濃度などの厳密な環境制御が必要であり、培養液にはアミノ酸、ビタミン、糖類などの栄養素に加え、血清またはそれに代わる増殖因子が添加される。2

培養形態としては、シャーレやフラスコの底面に接着して増殖する接着細胞と、液体培地中で浮遊しながら増殖する浮遊細胞に大別され、目的に応じて適切な細胞株が選択される。1

細胞株としては、無限の増殖能を獲得した不死化細胞や株化細胞が広く用いられる一方で、生体から直接採取された初代培養細胞は、より生体の生理的状態に近い反応を示すため、薬効評価や毒性学試験において重要な情報をもたらす。4

近年のバイオテクノロジーの進展に伴い、遺伝子編集技術を用いたゲノム編集や、大規模なタンパク質発現解析を行うための宿主としての哺乳動物細胞の利用価値はさらに高まっており、再生医療や遺伝子治療における細胞医薬品の原料としてもその重要性が増している。3

参考文献・出典

  1. 一般財団法人バイオインダストリー協会: https://www.jba.or.jp/file/bio_history_13.pdf ↩1 ↩2
  2. 独立行政法人製品評価技術基盤機構: https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/other/mammalian/about.html ↩1 ↩2
  3. 国立大学法人京都大学: https://www.kyoto-u.ac.jp/ja ↩1 ↩2
  4. 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/osh/k-houkoku/20180326.pdf ↩1 ↩2