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HEALTH WORDS / 用語解説

バラスト水

Ballast water

バラスト水とは、船舶の航行時の安全性や復原性を確保するため、積荷の重量不足を補う目的で専用のタンクに積み込まれる海水や河川水などの水のことである。1

近代の船舶大型化や高速化に伴い、バラスト水の移動量と範囲は飛躍的に拡大した。世界全体で年間数十億トンものバラスト水が輸送されていると推計されている。2

バラスト水が排出される際、吸水時にタンク内へ取り込まれた多様な水生生物、プランクトン、細菌、ウイルスなどの微生物が、元の生息域とは異なる水域へ持ち込まれることになる。1

これらの生物が移入先の環境に適応して定着すると、在来種の捕食、生存競争の激化、遺伝子汚染などを引き起こし、生態系に著しい悪影響を及ぼす原因となる。2

さらに、生態系の破壊だけでなく、漁業資源の枯渇による水産業への経済的な打撃や、コレラ菌などの病原体が運ばれることによる人間の健康への被害も深刻な問題として懸念されている。1

このような環境破壊や健康被害を防止するため、国際海事機関(IMO)において「バラスト水管理条約(国際条約)」が採択され、発効されている。1

この条約および関連規則に基づき、対象となる船舶にはバラスト水処理装置の設置や、海洋等への排出時における生物の数を一定の基準以下に抑制することが義務付けられている。1

参考文献・出典

  1. 国土交通省: https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk9_000007.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 国立環境研究所 侵入生物DB: https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/topics/ballast.html ↩1 ↩2