HEALTH WORDS / 用語解説
フサリウム
Fusarium
フサリウム属に分類される真菌は、麦類の赤かび病をはじめとする様々な植物感染症を引き起こす植物病原菌として農業分野で重大な被害をもたらすことで知られている。1
また、これらの一部は作物の栽培過程においてマイコトキシンと呼ばれるカビ毒を産生することがあり、DON(デオニバレノール)やT-2毒素などの毒素は食品衛生上および畜産飼料の安全性において重要な管理対象となっている。2
医学および臨床医学の領域においては、日和見感染症の原因となる糸状菌として医学的な注目を集めており、免疫機能が著しく低下した患者や白血病などの造血器腫瘍を有する患者において、侵襲性真菌症を引き起こすことがある。3
フサリウム症と呼ばれるこれらの感染症は、皮膚病変や肺感染症を端緒として、血流を介して全身の臓器へと播種性感染に進展することがあり、難治性を示すことが多い。3
環境微生物学的観点からは、フサリウムは土壌や植物残渣のほか、水回りなどの水生環境にも生息しており、病院環境内においても日和見感染の感染源となり得ることが指摘されている。3