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HEALTH WORDS / 用語解説

ポダソーム

Podosome

ポダソームとは、細胞が基質に接着し、細胞外マトリックスを分解するために形成する、円形または斑点状の特殊な細胞接着装置である。1 破骨細胞、マクロファージ、樹状細胞などの造血系細胞や、癌細胞などの運動性の高い細胞において顕著に観察される。2

ポダソームの構造は、中心部にあるアクチンフィラメントの密なコアと、それをり囲むインテグリンや接着斑関連タンパク質からなるリング状の構造体によって構成されている。1 中心のアクチンコアにはアーピ・コンプレックス|Arp2/3複合体やWASPなどのアクチン重合調節因子が局在しており、活発なアクチンの動態と重合が維持されている。2 周囲のリング構造には、ビンキュリン、パキシリン、タリンなどのタンパク質が集積し、細胞膜と細胞外マトリックスとの強固な結合を仲介している。1

生理学的な機能として、ポダソームは細胞外マトリックスを分解する酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼなどを集積・放出することで、組織のリモデリングや細胞の遊走を促進する。2 例えば破骨細胞におけるポダソームは、骨吸収を行う際に密集して「シーリングゾーン」と呼ばれる特殊な領域を形成し、骨基質を効率的に分解するための空間を作り出す。1 また、免疫系細胞においては、血管内皮や組織の基底膜を通過して遊走する際のエフェクターとして重要な役割を担っている。2

構造および機能の面において、線維芽細胞などで観察される接着斑(フォーカルアドヒージョン)と類似しているが、ポダソームはより動態が速く、寿命が短く、マトリックスの分解活性に特化しているという特徴を持つ。1 さらに、癌細胞が周囲の組織へ浸潤する際に形成する浸潤突起(インバドポディア)とは密接に関連しており、構成因子や分解機構において多くの共通点が存在する。2

参考文献・出典

  1. Nature Reviews Molecular Cell Biology: https://www.nature.com/articles/nrm1844 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. European Journal of Cell Biology: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S017193351830159X ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5