HEALTH WORDS / 用語解説
ポリメラーゼ活性
Polymerase activity
ポリメラーゼ活性とは、酵素であるポリメラーゼがヌクレオチドを重合させて核酸(DNAまたはRNA)の鎖を合成する触媒能力のことである。1
この活性はすべての生物の遺伝情報の複製や転写という極めて重要な生命現象の根幹を担っており、DNAの複製、修復、転写などの多様な生体プロセスにおいて中心的な役割を果たしている。2
多くのDNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼは、鋳型となる既存の核酸鎖の塩基配列を正確に読み取り、それに相補的なヌクレオチドをホスホジエステル結合によって順次結合させていくことで新しい鎖を伸長させる。3
この重合反応の進行においては、通常5'末端から3'末端の方向へ向かってヌクレオチドが付加されていくという厳密な方向性が存在し、遺伝情報が正確無比に継承されるための基礎となっている。4
また、多くのポリメラーゼ活性を持つ酵素は、単に核酸を合成するだけでなく、誤って取り込まれた不適切なヌクレオチドを認識して除去するためのエキソヌクレアーゼ活性などを同時に有している場合が多い。5
このような校正機能や修復機能がポリメラーゼ活性と協調して働くことにより、DNA複製の過程で生じる変異の頻度が極めて低く抑えられ、生物のゲノムの安定性が維持されている。6
分子生物学の分野において、このポリメラーゼ活性の特性はPCR法をはじめとする様々な遺伝子解析技術やバイオテクノロジーの基盤として広く応用されており、耐熱性DNAポリメラーゼを用いたDNA増幅などは現代の医学・生物学研究に欠かせない技術となっている。7
参考文献・出典
- 生命科学データベースプロジェクト: https://biosciencedb.jp/ ↩
- 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/ ↩
- J-GLOBAL: https://jglobal.jst.go.jp/ ↩
- CiNii Research: https://ci.nii.ac.jp/ ↩
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/ ↩
- Genet. Sel. Evol.: https://gsejournal.biomedcentral.com/ ↩
- Plos Biology: https://journals.plos.org/plosbiology/ ↩