HEALTH WORDS / 用語解説
マッピング
Mapping
マッピングとは、ゲノム、染色体、タンパク質、あるいは神経回路などの生物学的対象において、その構成要素の位置関係や構造的・機能的な対応関係を空間的・時間的に明らかにすることを指す総称である。1 医学および生物学の領域におけるマッピングは、基礎研究から臨床医学に至るまで幅広い目的で用いられ、対象とする階層や手法によって多様な形態が存在している。2
遺伝学および分子生物学の分野におけるマッピングの代表例としては、ゲノム上の遺伝子やマーカーの位置を決定する遺伝子マッピングが挙げられる。3 これは染色体上における遺伝子の相対的な位置や塩基配列上の物理的な距離を明らかにするものであり、ヒトゲノム計画をはじめとする大規模なゲノム解析において中心的な役割を果たしてきた。3 これにより、特定の疾患に関連する遺伝子の同定や、遺伝子多型と表現型との関連性を解析することが可能となる。3
また、脳神経科学の分野においてもマッピングは不可欠な手法となっている。1 脳の構造や神経回路の接続関係を網羅的に記述するコネクトミクスや、脳機能局在を可視化する機能的マッピングはその代表例である。1 機能的磁気共鳴画像法などの画像診断技術を用いて脳の活動領域を特定し、その動態をマッピングすることは、認知機能の解明や脳腫瘍などの外科手術における神経温存にとって極めて重要である。1
さらに、臨床医学や病理学の文脈でもマッピングという言葉は頻繁に使用される。1 例えば不整脈のカテーテルアブレーション治療においては、心臓内の電気生理学的信号を詳細に測定・解析して不整脈の興奮旋回や起源を特定する心臓電図マッピングが行われる。4 このように、複雑な生体現象や構造を視覚的かつ体系的に整理し、位置情報として表現するアプローチ全般がマッピングと呼ばれている。1
参考文献・出典
- 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndl/pid/11232813/www.nips.ac.jp/sp/contents/release/2014/05/post_247.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- 京都大学: https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/154445/1/d_r_k_list.htm ↩
- 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndl/pid/8811822/www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n1391_01.pdf ↩1 ↩2 ↩3
- 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndl/pid/12318049/www.pmda.go.jp/files/000247656.pdf ↩