HEALTH WORDS / 用語解説
ミトコンドリアタンパク質合成系
ミトコンドリアタンパク質合成系とは、ミトコンドリア内部において独自の遺伝子情報に基づきタンパク質を生合成する一連の仕組みのことである。1
ミトコンドリアは独自のDNAであるミトコンドリアDNAを保持しており、細胞核のゲノムとは独立して遺伝子発現を行っている。1
この合成系は、真核生物の細胞質におけるタンパク質合成とは異なり、細菌の原核生物型に近い特徴を有している。2
ミトコンドリアタンパク質合成系では、ミトコンドリアDNA上にコードされているタンパク質を産生するために、特異的なリボソームやtRNAなどの翻訳因子が関与している。1
ミトコンドリア内部で合成されるタンパク質は、主として電子伝達系を構成する複合体のサブユニットなど、エネルギー代謝や酸化的リン酸化において極めて重要な役割を担う分子である。1
一方で、ミトコンドリアに存在する大部分のタンパク質は、細胞核のDNAから転写および翻訳された後にミトコンドリア外部から輸送されるものであり、独自のミトコンドリアタンパク質合成系で合成されるのはその一部にとどまる。1
このミトコンドリアタンパク質合成系に異常が生じた場合、ミトコンドリア機能障害を引き起こし、ひいてはエネルギー代謝の低下や様々なミトコンドリア病の発症原因となることが知られている。1
参考文献・出典
- NBDC生命科学データベース統合システム: https://integbio.jp/dbcatalog/ja/record/nlbr00868 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構: https://www.nite.go.jp/nbrc/genome/johyo/p_s_johyo05.html ↩