HEALTH WORDS / 用語解説
リューシュマニアウイルス
Leishmania virus
リューシュマニアウイルスとは、原虫であるドニシリーシュマニア(Leishmania donovani)などのリーシュマニア属原虫に寄生するウイルスの一種である。1
リーシュマニア属原虫に感染するウイルスとしてはトガウイルス科に属する二本鎖RNAウイルスが知られており、LeishmaniaRNAvirus(LRV)と呼ばれるジェノグループを形成している。2
このウイルスは、宿主となる原虫の細胞質内で複製を行い、宿主の生物学的特性や病原性に大きな影響を与えることが研究によって示されている。3
特に、リーシュマニア属原虫が保有するウイルスの存在が、ヒトにおけるリーシュマニア症(Leishmaniasis)の症状をより重篤化させる要因の一つとして注目されている。4
宿主原虫が哺乳類のマクロファージなどの免疫細胞に寄生する際、ウイルス由来のRNAが宿主側の受容体であるTLR3などを刺激することで、炎症性のサイトカインが過剰に産生される。4
この過剰な免疫応答の結果として、組織損傷が拡大し、皮膚リーシュマニア症における病変の悪化や、内臓リーシュマニア症の難治化を引き起こすと考えられている。5
分子生物学的な解析により、LRVのゲノム構造やタンパク質の機能についても詳細な研究が進められており、原虫とウイルスの共生関係のメカニズムが解明されつつある。2
このようなウイルスと寄生虫の相互作用を理解することは、新たな治療法やワクチンの開発に向けた重要な知見となると期待されている。3
参考文献・出典
- NCBI Taxonomy: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/Taxonomy/Browser/wwwtax.cgi?id=12127 ↩
- ICTV: https://ictv.global/report/chapter/totiviridae/totiviridae/leishmania-virus ↩1 ↩2
- 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/ ↩1 ↩2
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24503042/ ↩1 ↩2
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22114169/ ↩