HEALTH WORDS / 用語解説
リンパ行性転移
Lymphogenous metastasis
リンパ行性転移とは、悪性腫瘍の細胞がリンパ管に入り込み、リンパ流に乗って離れたリンパ節や臓器へと運ばれ、そこで新たな腫瘍を形成する現象のことである。1
がんの転移経路には、血行性転移、リンパ行性転移、播種などがあるが、その中でも癌腫(上皮性悪性腫瘍)において最も頻度が高く重要な経路の一つとして知られている。2
原発巣から剥がれ落ちた腫瘍細胞は、腫瘍組織周辺に発達した毛細リンパ管の薄い内皮を通過してリンパ管内へ侵入する。1
リンパ管内に侵入したがん細胞は、リンパ液の流れに従って移動し、通常は最も近い領域リンパ節(センチネルリンパ節など)に到達する。2
リンパ節に到達したがん細胞は、リンパ節の皮質や髄質といった部位で定着・増殖し、転移性リンパ節腫大を引き起こす。1
さらに腫瘍が進行すると、最初のリンパ節を通過して、より上位の中枢側リンパ節や、胸管を経由して静脈系へとがん細胞が波及し、最終的には全身性の遠隔転移につながることもある。2
臨床的には、どのリンパ節まで転移が及んでいるかを調べるリンパ節郭清や病期分類(ステージング)が、治療方針の決定や予後の予測において極めて重要な指標となる。1
多くの固形がんにおいて、リンパ行性転移の有無やその広がりは、外科療法、放射線療法、薬物療法などの集学的治療を設計する上で欠かすことのできない要素となっている。2
参考文献・出典
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/cancer/terminology.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/cancer/h-01-002.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4