HEALTH WORDS / 用語解説
集学的治療
Multidisciplinary treatment
集学的治療とは、単一の診療科や治療法にとどまらず、外科療法、薬物療法、放射線療法などの複数の異なる治療法を、患者の病状や病期に応じて集学的に組み合わせ、専門医らが連携して行う治療戦略のことである。1
特にがん治療(悪性腫瘍の治療)の領域において中核となるアプローチであり、単独の治療法では根治やQOL(生活の質)の維持が困難な場合であっても、それぞれの治療法の利点を活かしつつ欠点を補い合うことで、治療成績の向上や生存期間の延長を目指すために実施される。2
集学的治療を実践する上では、外科医、腫瘍内科医、放射線治療医、病理医、薬剤師、看護師などの多様な医療従事者が密接にチーム医療体制を構築することが不可欠となる。1
実際の臨床現場においては、定期的なカンファレンス(症例検討会)などを通じて各専門医が情報を共有し、患者一人ひとりの病期、全身状態、遺伝子パネル検査などの分子標的情報、さらには患者自身の社会的背景や希望を総合的に考慮した上で、最適な治療計画(プロトコル)を策定することが求められる。2
具体的な組み合わせの例としては、手術前に薬物療法(化学療法や分子標的薬治療など)や放射線療法を行って腫瘍の縮小を図る術前補助療法(導入療法)や、手術後に残存している可能性のある微小転移を叩いて再発を予防するための術後補助療法などが挙げられる。1
また、切除不能な進行がんや再発がんに対しても、薬物療法や放射線療法、緩和ケアを適切に組み合わせることにより、がんに伴う痛みなどの苦痛な症状緩和を図りながら、長期にわたって生命予後を改善し生活の質を保つための集学的治療が広く行われている。2