HEALTH WORDS / 用語解説
レゾルビンD2
Resolvin D2
レゾルビンD2とは、オメガ3脂肪酸の一種であるドコサヘキサエン酸(DHA)から生合成される特殊化プロ・レゾルビング・メディエーター(SPM)と呼ばれる生理活性物質の一つである。1
本物質は、炎症の終息期において受動的な消退ではなく能動的に炎症を鎮静化させる働きを持つ分子として同定された。1
生体内においては、血管内皮細胞と白血球(好中球など)との相互作用を介して生成されることが知られており、アラキドン酸カスケードから産生されるプロスタグランジンやロイコトリエンといった従来の炎症性生理活性物質とは異なり、免疫応答の過剰な亢進を抑える方向へ作用する。1
薬理学的な研究により、レゾルビンD2は微小循環動態において白血球の過剰な血管外浸出や接着分子の発現を抑制する強力な生理作用を有することが示されている。1
また、マクロファージの貪食作用(アポトーシスを起こした細胞や病原体の処理能力)を促進し、組織修復や恒常性の維持に寄与することが確認されている。2
これらの優れた抗炎症作用および組織修復作用から、レゾルビンD2は動脈硬化症、敗血症、神経炎症、歯周炎などの様々な炎症性疾患に対する新しい治療薬のシーズ化合物あるいはバイオマーカーとして、基礎医学および臨床医学の領域で広く研究が進められている。1 2