HEALTH WORDS / 用語解説
二次感覚細胞
Secondary sensory cell
二次感覚細胞とは、感覚受容を行う細胞自身が軸索を持たず、シナプスを介して神経細胞に情報伝達を行う受容器の構造上の分類である。1
生物の体には外部や内部の環境変化を捉えるための多様な受容器が存在しており、その多くは感覚受容細胞が受容器としての役割を担っている。
感覚受容細胞は、構造的および機能的な特徴に基づいて一次感覚細胞と二次感覚細胞に大別される。
一次感覚細胞は、細胞体から直接神経繊維(軸索)が伸びており、中枢神経系へと興奮を直接伝える仕組みを持っている。
これに対して二次感覚細胞は、感覚細胞自体が軸索を持たないという特徴がある。
そのため、刺激を受容して生じた電気信号や膜電位の変化は、シナプスを介して別の一次神経細胞(感覚神経)へと伝達される。
二次感覚細胞の代表例として、脊椎動物の味覚を司る味蕾を構成する味細胞や、聴覚および平衡覚に関与する内耳の有毛細胞が挙げられる。
例えば味細胞の場合、食物由来の化学物質が細胞の頂端部にある受容体に結合することで脱分極などの膜電位の変化が生じる。
この変化が細胞内の情報伝達経路を引き起こし、最終的に基底側のシナプスを介して味神経へと神経伝達物質が放出される。
また、内耳の有毛細胞においては、音波や頭部の加速度といった機械的刺激が感覚毛の変形を引き起こす。
この機械的な変形によって機械受容チャネルが開き、イオンの流入を伴う膜電位の変化が発生し、やはりシナプスを通じて聴神経や前庭神経へ信号が引き渡される。
このように、二次感覚細胞はそれ自身が軸索を伸ばして中枢まで到達するのではなく、シナプスという化学的伝達のステップを一つ挟むことによって神経回路に接続している。
参考文献・出典
- 文部科学省 学術用語集 哺乳医学会編(増訂版): https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalstudy1994/25/2/25_2_159/_pdf ↩
- コトバンク(世界大百科事典 第2版: 感覚細胞の項目): https://kotobank.jp/word/%E6%84%9F%E8%A6%9A%E7%B4%B0%E8%83%9E-491953 ↩