HEALTH WORDS / 用語解説
充実性丘疹
solid papule
充実性丘疹とは、皮膚の表面に盛り上がる皮膚病変のうち、内部に液体を含まず、細胞の増殖や炎症などによって実質が詰まっている丘疹のことである。1 皮膚科学の領域において皮疹を形態学的に分類する際、基本病変の一つとして重要な位置を占める用語である。2
丘疹一般は、周囲の皮膚から盛り上がった直径が小さく(通常は1センチメートル未満)、限局性の皮膚の隆起を指す総称である。3 その中で水疱や膿疱のように内部に漿液や膿などの液体貯留を伴う水疱性疾患や膿疱性皮膚炎とは異なり、組織の増殖や肉芽腫形成、あるいは炎症細胞の密な浸潤などによって固い実質を持つものを特別に充実性丘疹と呼んで区別している。4
充実性丘疹を呈する疾患や病態は多岐にわたる。 代表的なものとしては、ウイルス感染症によって引き起こされる尋常性疣贅などの疣贅類や、慢性炎症に伴う苔癬化、代謝異常によって生じる結節の前段階などが挙げられる。5 また、湿疹性疾患の急性期から慢性期への移行過程や、薬疹、虫刺されによる局所的なアレルギー反応などでも見られることがある。6
皮膚病変の診察において、皮疹が充実性であるか液体貯留を伴うものであるかの鑑別は、正確な診断を下す上で極めて重要である。7 視診に加えて触診を行い、硬さや可動性、基底層との関係を確認することで、真皮における病変の性質や炎症の深さを推測することが可能となる。8 さらに確定診断が必要な場合には、皮膚生検を行って組織病理学的な検査を実施し、細胞診や病理組織検査によって真皮内の細胞浸潤や腫瘍性増殖の詳細を明らかにすることが行われる。9
参考文献・出典
- 日本皮膚科学会 皮膚科用語解説: https://www.dermatol.or.jp/qa/menu/glossary.html ↩
- MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/皮膚疾患/皮膚病変の評価/皮膚病変の用語と表現 ↩
- 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩
- 皮膚病理の臨床: https://webview.isho.jp/ ↩
- 標準皮膚科学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/9044 ↩
- 皮膚科学用語集: https://www.jstage.jst.go.jp/browse/ryumachi/-char/ja/ ↩
- 臨床皮膚科: https://webview.isho.jp/ ↩
- 皮膚科臨床アトラス: https://www.bunoh.co.jp/ ↩
- 皮膚病理組織学入門: https://www.ishiyaku.co.jp/ ↩