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HEALTH WORDS / 用語解説

光照射

Photoirradiation

光照射とは、物質、細胞、組織、あるいは個体に対して人工的または自然的な光を当てる操作やプロセスのことである。1 生物学や医学の分野においては、特定の波長を持つ光エネルギーを用いて生体反応を誘導したり、分子構造を変化させたりする手法として広く利用されている。2

光照射は、基礎研究から臨床医学に至るまで多様な目的で応用されている。 例えば分子生物学の領域では、光によって活性が制御される光受容体やケージド化合物などの分子ツールに対し、特定のタイミングで光照射を行うことで、細胞内の特定の生化学反応やシグナル伝達をミリ秒単位の時間分解能で誘導・追跡することが可能となる。3

また、医学・薬学の分野では、光感受性物質(光増感剤)を患者に投与した後に特定の患部へ光照射を行うことで、活性酸素などを発生させて癌などの病変組織を選択的に破壊する光線力学療法(PDT: Photodynamic Therapy)が実用化されている。4 この治療法は、外科手術に比べて侵襲性が低く、正常組織へのダメージを最小限に抑えながら腫瘍を治療できる手法として臨床現場で活用されている。

さらに、皮膚科領域においては、特定の波長の紫外線などの光を皮膚に照射することで、免疫応答を抑制したり細胞増殖を調節したりし、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの難治性皮膚疾患を治療する光線療法(紫外線療法)としても光照射技術が応用されている。5 このように、光照射は光子のもつエネルギーを利用して生物学的機能を緻密に制御・操作するための極めて重要な実験技術および医療技術の基盤となっている。

参考文献・出典

  1. 文部科学省 学術用語集 分子生物学編: https://jjst.nii.ac.jp/ja/jglobal/ID/080076295 ↩
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906001088469446 ↩
  3. 日本生化学会 生化学用語: https://seikajun.jp/ ↩
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/pre_care/tre/other/pdt.html ↩
  5. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A: https://www.dermatol.or.jp/qa/qa13.html ↩