HEALTH WORDS / 用語解説
卵巣結核
Ovarian tuberculosis
卵巣結核とは、結核菌の感染によって卵巣に肉芽腫性炎症を引き起こす非常に稀な疾患である。1
通常、結核による女性器結核は卵管に最も多く発生し、感染全体の90%以上に卵管結核が関与しているとされる。2
卵巣結核が単独で発生することは極めて稀であり、ほとんどの場合は卵管や骨盤腹膜などからの上行性感染あるいは血行性播種によって二次的に発症する。3
臨床症状としては、下腹部痛、月経異常、不妊症、あるいは骨盤内腫瘤などが挙げられるが、特異的な症状に乏しいため臨床的に卵巣がんなどの悪性腫瘍と鑑別することが困難な場合が多い。1
診断においては、画像検査で卵巣腫瘍様の陰影が認められることがあり、組織診や細菌学的検査によって結核菌を証明することが重要となる。2
治療の基本は、抗結核薬を用いた薬物療法(化学療法)であり、 isoniazid 、 rifampicin 、 pyrazinamide 、 ethambutol などの薬剤を組み合わせた多剤併用療法が長期間にわたって行われる。4
薬物療法による治療効果が不良な場合や、巨大な膿瘍形成、悪性腫瘍との鑑別がどうしても困難な症例においては、外科的治療として手術による病変部の切除が選択されることもある。3
参考文献・出典
- MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/婦人科疾患/婦人科感染症/骨盤内炎症性疾患-pid ↩1 ↩2
- J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jji1950/47/3/47_3_229/_article/-char/ja/ ↩1 ↩2
- CiNii Research: https://ci.nii.ac.jp/naid/110003786256 ↩1 ↩2
- MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/感染症/結核および抗酸菌症/結核-tb ↩