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HEALTH WORDS / 用語解説

変異体解析

Mutant Analysis

変異体解析とは、生物のゲノムに変異を導入した変異体を用いて、その遺伝子の機能や生体内の分子メカニズムを解明する遺伝学的な手法である。1 生物が持つ多様な表現型の原因を遺伝子レベルで突き止めるために、古くからモデル生物を用いた研究において中核的な役割を果たしてきた。2

古典的な変異体解析では、化学物質や放射線などを用いてランダムにゲノムDNAへ変異を誘発させ、特定の形質に異常を示した変異体をスクリーニングによって単離することから始まる。1 責任遺伝子を同位体標識や次世代シーケンサーなどのゲノム解析技術を用いて特定し、その遺伝子産物であるタンパク質の生理的な役割を多角的に検証する。2 これにより、個体の発生や代謝、あるいは疾患の発症メカニズムにおいて、特定の遺伝子が果たす不可欠な役割を明らかにすることが可能となる。1

近年の分子生物学の進展に伴い、ランダムな変異の誘発だけでなく、特定の遺伝子を意図的に破壊・改変する逆遺伝学的アプローチも変異体解析の一部として広く行われている。CRISPR-Cas9システムをはじめとするゲノム編集技術の登場により、従来は変異体の作成が困難であった生物種や哺乳類の培養細胞においても、精密な変異体解析が飛躍的に容易になった。2 また、複数の遺伝子変異を組み合わせる多重変異体解析を行うことで、遺伝子間相互作用や生体防御における冗長性を網羅的に理解することができる。1

参考文献・出典

  1. 国立遺伝学研究所 遺伝学用語辞典: https://www.nig.ac.jp/museum/glossary/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 文部科学省 ライフサイエンスの広場: https://www.lifescience.mext.go.jp/resources/files/pdf/NIG_i_glossary.pdf ↩1 ↩2 ↩3