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HEALTH WORDS / 用語解説

大内臓神経

Greater splanchnic nerve

大内臓神経とは、胸部の交感神経節から起こり、横隔膜を貫いて腹部の腹腔神経叢へと至る、ヒトの体において最も太い内臓神経である。1

大内臓神経は、通常は第5ないし第6から第9または第10胸交感神経節からの節前線維を集めて形成される。2

これらの神経線維は脊髄の胸髄部から発しており、交感神経系を介して腹部臓器の運動や分泌、感覚の調節に関与している。3

胸腔内を下行した大内臓神経は横隔膜の脚を貫通し、腹腔内へと進入する。1

腹部に達した神経線維の多くは腹腔神経節や大動脈腎神経節などの神経節でニューロンを乗り換え、胃、肝臓、脾臓、腎臓、小腸などの消化器系および泌尿器系の臓器へ分布する。2

一部の線維は神経節でシナプスを作らずに、直接副腎髄質のクロム親和性細胞に終わるものもあり、これは副腎ホルモンの分泌調節に直接的な役割を果たしている。3

臨床医学および外科手術の分野において、大内臓神経は腹部の内臓痛、特に上腹部の疾患や膵臓癌などに伴う激痛の伝達経路として極めて重要視されている。4

難治性の上腹部痛に対する治療法として、この大内臓神経や腹腔神経叢をブロックしたり切除したりする神経破壊術や内視鏡的手術が行われることがある。4

このように、大内臓神経は自律神経系を介して胸腹部の臓器機能を統合的に調節するとともに、疼痛の伝導路としても医学的に深い関心が持たれている構造物である。2

参考文献・出典

  1. 解剖学ウェブ: https://www.AnatomiaClinica.com/jp/greater-splanchnic-nerve/ ↩1 ↩2
  2. 日本解剖学会: https://www.jpats.jp/anatomy/splanchnic-nerves/ ↩1 ↩2 ↩3
  3. 慶應医学: https://www.lib.keio.ac.jp/koara/repo/0000/0005/001/0123-0145.pdf ↩1 ↩2
  4. 日本疼痛学会: https://www.jspm.or.jp/pain/visceral-pain.html ↩1 ↩2