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HEALTH WORDS / 用語解説

寛解導入療法

寛解導入療法とは、白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍や、自己免疫疾患などの治療において、体内に残存する病気の細胞や活動性の炎症を強力な薬剤を用いて急速に減少させ、病気の症状が消失または測定限界以下となった状態である寛解を達成することを目的として最初に行われる治療法である。1 造血器腫瘍の領域においては、骨髄内の白血病細胞を排除し、正常な造血機能を回復させることを最大の目標として実施される。2

寛解導入療法の基本的な方針は、強力な抗悪性腫瘍薬や免疫抑制薬を組み合わせて投与することである。1 これは、単一の薬剤では排除しきれない多量の異常な細胞を徹底的に叩く必要があるためである。 特に急性白血病の治療においては、複数の化学療法薬を一定の期間に集中して投与する多剤併用療法が標準的に採用されている。2

しかし、この治療法は強力である一方で、白血病細胞だけでなく正常な造血幹細胞や粘膜の細胞なども同時に強いダメージを受けるという特徴を持つ。 そのため、治療の過程において、骨髄抑制に起因する白血球減少症、血小板減少症、それに伴う重篤な感染症や出血傾向などの副作用が必発に近い形で高頻度に出現する。1 こうした背景から、寛解導入療法の実施にあたっては、無菌室での管理、適切な抗菌薬や輸血による支持療法を並行して行うことが極めて重要となる。2

寛解導入療法によって寛解状態に到達したとしても、それは体内の病巣が完全に消失したことを意味するものではない。 肉眼的な腫瘍や検査で検出できる異常な細胞が消失しただけであり、微小な残存病変が体内に潜伏している可能性が極めて高い。 そのため、寛解導入療法の後には、再発を防いで治癒を目指すために、さらに追加の化学療法である地固め療法や維持療法、あるいは造血幹細胞移植といった次段階の治療へ移行するのが標準的な臨床プロセスとなっている。1 寛解導入療法は、総合的ながん治療の戦略全体において、最初の最も険しい関門であり、予後を左右する極めて基盤的な医療技術である。2

参考文献・出典

  1. 国立がん研究センターがん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/cancer/leukemia/treatment.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 厚生労働省 診療ガイドライン: https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/ui/m00/item/118337 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4