HEALTH WORDS / 用語解説
急性Bリンパ球白血病
Acute B-lymphoblastic leukemia
急性Bリンパ球白血病とは、骨髄系またはリンパ系の造血幹細胞が悪性腫瘍化し、異常なBリンパ芽球が骨髄や末梢血で急速に増殖する白血病の一種である。1 造血器腫瘍の分類において急性リンパ性白血病の主要な病型の一つとして位置づけられており、小児から高齢者まで幅広い年齢層に発症するが、特に小児の白血病の中で最も頻度が高い疾患として知られている。2
骨髄内において白血病細胞が無制限に増殖することで、正常な造血細胞の機能が著しく阻害される。1 その結果として赤血球の産生が低下し貧血症状を引き起こすほか、血小板の減少により出血傾向や紫斑が生じやすくなり、さらに正常な白血球(好中球など)が減少することで免疫力が低下し、発熱や感染症を合併しやすくなる。2 また、白血病細胞がリンパ節、肝臓、脾臓、さらには中枢神経系といった造血組織以外の部位へ浸潤・拡大することもあり、それぞれに応じた臨床症状を呈することがある。1
確定診断にあたっては、血液検査による血球算定や末梢血塗抹検査で芽球の存在を確認した上で、骨髄穿刺および骨髄生検を実施して骨髄組織内の白血病細胞の割合を詳細に調べる。1 採取した細胞に対しては、表面マーカー検査(フローサイトメトリー法)を用いてB細胞系譜の性質を持つ芽球であるかを正確に同定するほか、染色体検査や遺伝子検査(FISH法やRT-PCR法など)を行い、フィラデルフィア染色体(BCR-ABL1融合遺伝子)などの特定の遺伝子異常や染色体異常の有無を網羅的に評価する。2 これらの検査結果は、患者ごとの予後予測や最適な治療法の選択において極めて重要な指標となる。1
治療の基本方針としては、強力な化学療法(多剤併用療法)を組み合わせて寛解導入療法を行い、体内の白血病細胞を検出限界以下に減少させて完全寛解を目指す。1 完全寛解が得られた後には、白血病細胞の再発を防ぐために地固め療法(強化療法)や維持療法などの継続的な化学療法が実施される。2 近年では、特定の遺伝子異常や表面抗原を標的とした分子標的薬や抗体医薬品(チロシンキナーゼ阻害薬や二重特異性抗体など)が導入されており、治療成績の向上が図られている。1 さらに、高リスク群の症例や再発・難治性の病態に対しては、造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植)が選択肢として考慮される。2