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HEALTH WORDS / 用語解説

性器ヘルペス

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって引き起こされる性感染症の一つである。1 単純ヘルペスウイルスには1型(HSV-1)と2型(HSV-2)が存在し、従来はHSV-2が性器ヘルペスの主な原因とされてきたが、近年ではオーラルセックスの普及などを背景としてHSV-1による感染例も増加している。2

性器ヘルペスの感染経路は、主として性行為やそれに類似する接触による粘膜や皮膚を介したウイルスの侵入である。1 ウイルスに感染した場合、潜伏期間を経て症状が発現することが多いが、感染しても明らかな症状が現れない不顕性感染のケースも少なくない。2 初めて感染して発症した場合には初感染と呼ばれ、外陰部や陰茎、臀部などに激しい痛みを伴う水疱や潰瘍が多発するなど、症状が重篤化しやすい特徴がある。1 また、発熱や鼠径部のリンパ節腫脹などの全身症状を伴うこともある。2

性器ヘルペスの大きな特徴として、初発症状が治癒したのちも、ウイルスが神経節に潜伏し続ける性質があることが挙げられる。1 疲労やストレス、免疫力低下などを誘因としてウイルスが再活性化し、同じような場所に再び水疱や潰瘍を形成する再発を繰り返す傾向がある。2 ただし、一般的に再発時の症状は初感染時に比べて軽度であることが多い。1

診断においては、患部の水疱内容物や潰瘍部からウイルスを検出する抗原検査やウイルス分離培養法、あるいは血液検査による抗体検査などが用いられる。2 治療には抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)が用いられ、症状の緩和や治癒までの期間短縮を図る。1 これらの薬剤は発症早期に投与するほど高い治療効果が期待できる。2 さらに、頻繁に再発を繰り返す患者に対しては、再発を抑制することを目的として抗ヘルペスウイルス薬の長期連日投与(再発抑制療法)が行われることもある。1

予防にあたっては、性行為時にコンドームを正しく使用することが感染リスクの低減に一定の効果を持つが、コンドームが覆わない皮膚や粘膜の接触によっても感染するため、完全に予防することは困難である。2 特に妊娠中の女性が性器ヘルペスに初感染した場合、分娩時の産道感染によって新生児ヘルペスを引き起こすリスクがあるため、妊婦健診などを通じた適切な管理と治療が極めて重要となる。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/oshirase_idWR.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
  2. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennshouroken/525-idwr/2261-idwr-kanja-no-tokei-de-wakaru-seitei-kansenshou-stis.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7