HEALTH WORDS / 用語解説
木材腐朽菌
Wood-decay fungi
木材腐朽菌とは、木材の主要成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンを分解する能力を持つ真菌の総称である。1
木材腐朽菌は、担子菌類や子嚢菌類に属する菌類によって構成されており、森林の生態系において枯死木や倒木を分解する重要な役割を担っている。2
これらの菌は木材を分解する様式や成分の変化の違いから、大きく白色腐朽菌と褐色腐朽菌、および軟腐朽菌に分類される。1
白色腐朽菌は、木材のセルロース、ヘミセルロースだけでなく難分解性のリグニンをも同時に分解する能力を持つ木材腐朽菌である。2
リグニンが分解されると木材は白色化するためこの名があり、紙パルプ製造の生物学的パルプ化や環境浄化などのバイオテクノロジー分野での応用研究が進められている。1
一方、褐色腐朽菌は、セルロースとヘミセルロースを選択的に分解し、リグニンを分解せずに残す特徴を持つ木材腐朽菌である。2
リグニンが変性して褐色に残るため褐色腐朽と呼ばれ、分解された木材は乾燥すると立方体状に細かく割れる特徴がある。1
建築物などの木造住宅において深刻な被害をもたらすキコリウムやオオウズラタケなどの家屋害菌の多くは、この褐色腐朽菌に属している。2
軟腐朽菌は主に子嚢菌類の一種であり、高湿度な環境や水分を多く含む木材の表層部分においてセルロースを分解し、木材を軟化させる性質を持つ。2
これら木材腐朽菌の生育には、適度な水分、酸素、栄養源としての木材成分、そして適温が不可欠である。1
特に建築物の木材において雨漏りや結露によって含水率が高まると、木材腐朽菌が繁殖しやすくなり、木材強度の低下や住宅の耐久性低下を引き起こす原因となる。2