HEALTH WORDS / 用語解説
染色体不分離
Nondisjunction
染色体不分離とは、細胞分裂の過程において染色体または姉妹染色分体が正常に分離せず、両方が同じ娘細胞へと分配される現象のことである。1
この異常は、体細胞分裂および減数分裂のいずれの段階においても発生する可能性がある。1
生物の細胞が分裂する際、通常の減数分裂では、第一分裂または第二分裂において相同染色体や姉妹染色分体がそれぞれの娘細胞へ均等に分かれる必要がある。2
しかし、紡錘体の形成不全やキアズマの維持異常などが原因となり、染色体が適切に引き離されないことがある。3
減数分裂の過程で染色体不分離が生じた場合、形成される配偶子(精子や卵子)の染色体数に異常が生じる。1
具体的には、通常の半分であるべき染色体数が過剰になったり、逆に不足したりした配偶子が作られることになる。1
このように染色体数が正常な倍数体から外れる現象を異数性と呼び、染色体不分離は異数性を引き起こす主要な原因の一つとして知られている。1
減数分裂時の不分離によって生じた異常な配偶子が受精に関与すると、誕生する個体のすべての細胞において染色体数が異常な状態となる。1
例えば、特定の染色体が1本過剰に存在するトリソミーや、逆に1本しか存在しないモノソミーといった染色体異常が引き起こされる。1
ヒトにおける具体的な疾患としては、21番染色体が3本存在するダウン症候群などが、配偶子の形成過程における染色体不分離に関連して発生することがよく知られている。1
一方、受精後の発生初期や体細胞分裂の過程において染色体不分離が発生する場合もある。1
体細胞分裂でこの現象が起きると、染色体数が正常な細胞と異常な細胞が体内で混ざり合うモザイク現象が生じる原因となる。1
このように、染色体不分離は遺伝情報の正確な継承を妨げ、個体の発育異常や様々な先天性障害を引き起こす重要な要因となっている。1