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HEALTH WORDS / 用語解説

渦鞭毛藻

Dinoflagellate

渦鞭毛藻とは、主に海洋や淡水域に生息する真核生物の藻類であり、大部分が単細胞生物として遊泳生活を送る鞭毛虫の一種である。1 多くの種が2本の異なる鞭毛を持ち、これを回転させるようにして独特な運動を行うことからその名が付けられている。2

渦鞭毛藻の細胞は、特徴的な細胞壁構造や核の形態を持っており、染色体がヒストンたんぱく質を欠いた状態で常時凝縮している「ディノカリヨン」と呼ばれる特殊な核様体を持つことが細胞生物学的な大きな特徴である。3 栄養獲得の様式は非常に多様であり、光合成を行う独立栄養的な種だけでなく、他の生物を捕食する従属栄養的な種や、両方の性質を併せ持つ混合栄養的な種が存在する。4 また、他の海洋生物の体内や細胞内に共生する種も知られており、特にサンゴの組織内に共生する褐虫藻は、造礁サンゴの石灰化や生態系の維持において極めて重要な役割を果たしている。5

生態系において、渦鞭毛藻は大発生を引き起こすことがある。 一部の種が水温の上昇や栄養塩の過剰供給などの環境条件によって爆発的に増殖すると、海水が赤褐色などに変色する赤潮の原因となる。6 さらに、特定の種は神経毒などの強力な自然毒を産生し、これが貝類などの二枚貝の体内に蓄積されることで、人間がそれを摂食した際に下痢性貝毒や麻痺性貝毒などの食中毒を引き起こす原因物質となる。7

このように、渦鞭毛藻は海洋の基礎生産を担う重要な一次生産者である一方で、環境や人体に重大な影響を及ぼす有害藻類ブルームの原因生物としても、海洋科学や水産学の分野で広く研究されている。8

参考文献・出典

  1. 日本海洋学会: https://www.joa-net.jp/ ↩
  2. 生物科学学会連合: https://www.seibutsu-gakkai-rengo.jp/ ↩
  3. 日本植物学会: https://www.bsj.or.jp/ ↩
  4. 日本プランクトン学会: https://www.plankton.jp/ ↩
  5. 日本水産学会: https://www.jsfs.or.jp/ ↩
  6. 国立環境研究所: https://www.nies.go.jp/ ↩
  7. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/ ↩
  8. 水産研究・教育機構: https://www.fra.go.jp/ ↩