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HEALTH WORDS / 用語解説

異種発現系

Heterologous expression system

異種発現系とは、ある生物由来の遺伝子を本来とは異なる別の種類の宿主細胞に導入し、その遺伝子がコードするタンパク質や代謝産物を産生させるための実験系および宿主・ベクター系のことである。1

分子生物学や生化学などの分野において、目的とするタンパク質の構造解析や機能解析を行う際、そのタンパク質の天然の宿主からの抽出・精製が困難である場合や、十分な量を確保できない場合に広く利用される手法である。

一般的に、目的の遺伝子をプラスミドなどのベクターに組み込み、効率的な形質転換またはトランスフェクションによって宿主細胞内へと導入する。

宿主としては、遺伝子組換え技術が確立されており培養が容易で増殖速度が速い大腸菌などの原核生物や、出芽酵母などの真核微生物が頻繁に用いられる。2

さらに、より複雑な翻訳後修飾(糖鎖付加など)が必要とされる哺乳動物由来などの高次なタンパク質を生産する場合には、昆虫細胞や哺乳類の培養細胞を用いた異種発現系が選択されることもある。

近年の合成生物学の進展に伴い、有用物質の生合成経路全体を異種発現系に構築して、本来はその代謝産物を生産しない微生物に目的物質を大量生産させる代謝工学的な応用も盛んに行われている。

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906059157297805 ↩
  2. NBDC ライフサイエンスデータベース統合室: https://integbio.jp/dbcatalog/ja/record/nbdc01784 ↩