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HEALTH WORDS / 用語解説

縄張り

Territory

縄張りとは、動物が同種の他の個体または他種の動物の侵入を防ぐために防衛する、一定の空間的な領域のことをいう。1

動物行動学および生態学において、縄張りは動物が生存および繁殖を行う上で極めて重要な空間として位置づけられている。個体あるいは家族群などの集団が維持するこの空間は、単なる活動範囲や行動圏とは異なり、明確な防衛行動を伴う点を特徴とする。動物は発声、尿や糞を用いた嗅覚的なマーキング、さらには直接的な攻撃行動によって、自身の領域であることを示し、侵入者を排除する。

縄張りの大きさと性質は、動物の種や性別、年齢、さらには環境中の資源の分布や密度によって大きく変動する。一般的に、食料や水、隠れ場所、巣の場所、あるいは配偶者といった生存に不可欠な資源が豊富で偏在している環境では、それらを効率的に独占するために縄張りが形成されやすい。一方で、資源が極端に散在している場合や移動性が高い環境では、防衛にかかるエネルギーコストが利益を上回るため、縄張りが形成されないこともある。

鳥類においては、繁殖期における雄による鳴き声(歌)やディスプレイを通じた縄張りの主張がよく知られている。多くの鳥類は巣作り、産卵、子育てを行うための一定の空間を確保し、同種のライバルの侵入を防ぐことで餌の独占と外敵からの防御を高める。哺乳類においても、肉食獣などが尿や分泌液で広範囲な境界線を示し、群れの生活圏を維持する行動が観察される。

魚類や昆虫類などの無脊椎動物の一部においても、産卵床や餌場を中心とした縄張り行動が見られる。例えば、一部の淡水魚は特定の石や水草の周囲を自身の領域として防衛し、接近する同種を追い払う。このように、縄張り形成は動物界において普遍的な社会行動の一つであり、個体群の密度制御や資源配分の調整メカニズムとしても機能している。2

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 厚生労働省統計情報部: https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/anzen/kousyu/h20/dl/siryou3.pdf ↩
  2. 国立国会図書館 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000858580-00 ↩