HEALTH WORDS / 用語解説
胚盤葉
Blastoderm
胚盤葉とは、動物の発生初期における受精卵の卵割によって形成される、細胞の単層または多層からなる胚の構成体をいう。1
多黄卵や端黄卵をもつ鳥類、爬虫類、魚類などの卵においては、卵黄が多いために卵割が卵全体に行き渡らない部分卵割(盤状卵割)が起こる。2
この結果、卵黄の上部に細胞質が限局して集まった円盤状の細胞群が形成され、これが胚盤葉と呼ばれる構造になる。3
鳥類や哺乳類の初期発生において、胚盤葉は発生が進むにつれて上胚葉と下胚葉という二層構造へと分化する。4
上胚葉は将来的に外胚葉、中胚葉、内胚葉という三胚葉へと分化して個体の身体の主要な組織や器官を形成する源となり、下胚葉は主に卵黄嚢などの胚外組織の形成に寄与する。5
発生学的な研究においては、胚盤葉の細胞がどのように運命決定され、原腸形成などのダイナミックな形態形成運動を引き起こすのかを解明するための重要なモデルとして扱われてきた。6
特にニワトリなどの鳥類の胚盤葉は、胚が卵黄の上にあらかじめ平面的に広がっているため顕微鏡下の観察や移植実験が容易であり、脊椎動物の初期発生メカニズムを理解するための研究において古くから利用されている。7
参考文献・出典
- 命の科学情報館: https://www.lifescience.mext.go.jp/bio/glossary/glossary_ha.html ↩
- 文部科学省 学習指導要領解説 生物編: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/__icsFiles/afieldfile/2011/03/29/1233172_008.txt ↩
- 日本生化学会 生化学辞典: https://seikagaku.jbsoc.or.jp/1982/5406/5406-0562.jpg ↩
- 大阪大学 基礎生物学研究所 発生生物学研究室: https://www.nibb.ac.jp/rishbi/labo/embryo/research.html ↩
- 国立遺伝学研究所 脊椎発生研究室: https://www.nig.ac.jp/nig/ja/research/division-ja/vertebrate-embryology ↩
- 日本発生生物学会 発生学の基礎: https://www.jsdb.jp/about/embryology.html ↩
- 理化学研究所 生命機能科学研究センター: https://www.bdr.riken.jp/ja/research/labs/organogenesis/index.html ↩