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HEALTH WORDS / 用語解説

遺伝子組み換え作物

Genetically Modified Crops

遺伝子組み換え作物とは、現代生物学の技術を用いて、特定の性質を持つ外来遺伝子をゲノムに人工的に導入・組換えた農作物の総称である。1

遺伝子組み換え技術は、育種の過程において従来の交配や突然変異法では導入が困難であった有用な形質を、生物種の壁を越えて植物に付与することを可能にするバイオテクノロジーの一つである。1

これまでに開発・商業栽培されている遺伝子組み換え作物の多くは、害虫に対する抵抗性を付与するBt遺伝子の導入や、除草剤に対して耐性を示す遺伝子の導入が行われたものである。2

例えば、害虫抵抗性作物では、バチルス・チューリンゲンシスという土壌細菌が産生するタンパク質を遺伝子レベルで植物に組み込むことで、特定の害虫による食害を軽減し、農薬の散布量を削減する効果が期待されている。1

また、除草剤耐性作物では、特定の除草剤を散布しても作物自体は枯死せず、雑草のみを効率的に枯らすことが可能となるため、耕起回数を減らした不耕起栽培の導入や土壌保全にも寄与してきた。2

さらに、栄養価の向上や環境ストレスへの耐性強化を目的とした研究開発も進められており、例えばビタミン前駆体を蓄積するように代謝経路を改変したゴールデンライスなどが国際機関や学術界で注目を集めている。1

遺伝子組み換え作物の実用化および流通に際しては、その安全性を確保するため、科学的根拠に基づいた厳格な安全性評価が各国政府や国際機関によって義務づけられている。3

日本国内においては、食品衛生法およびカルタヘナ法(遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)に基づき、人間の健康に与える影響や生物多様性への影響について、専門的な機関による審査と承認を経なければ輸入や栽培を行うことはできない。3

安全性評価の項目には、導入遺伝子によって産生されるタンパク質の毒性やアレルゲン性の有無、作物の栄養成分における意図しない変動の有無、さらに栽培された作物が生態系において生物多様性を損なう交雑や野生化を引き起こさないかどうかの検証が含まれる。4

このように、遺伝子組み換え作物は食糧安全保障や持続可能な農業生産への貢献が期待される一方で、環境影響や社会的受容性に関する議論も続けられており、科学技術と社会の調和を図りながら総合的な管理とモニタリングが行われている分野である。1

参考文献・出典

  1. 農林水産省: https://www.maff.go.jp/j/syou/seuan/idenshi/qa/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 国立環境研究所: https://www.nies.go.jp/kanko/i_library/zaidan/vol19/v19-3-06.pdf ↩1 ↩2
  3. 食品安全委員会: https://www.fsc.go.jp/sonota/genetansaku.html ↩1 ↩2
  4. 環境省: https://www.env.go.jp/nature/biodic/cartagena/law.html ↩