HEALTH WORDS / 用語解説
鞭毛上皮細胞
flagellated epithelial cell
鞭毛上皮細胞とは、表面に鞭毛または繊毛を有する上皮細胞の総称であり、主に動物の体内において液体や分泌物を移動させる役割を担う細胞である。1
生物学や組織学の分野において、上皮組織を構成する細胞の一つとして位置づけられており、その形態や機能は生物種や発生段階、あるいは器官の部位によって多様な特徴を示す。2
多くの場合、この細胞の頂端面には多数の鞭毛あるいは繊毛が配列しており、これらが規則的かつ同調的に運動することで、細胞表層の液流を作り出す機構を備えている。1
例えば、無脊椎動物である軟体動物や環形動物などの特定の器官や、脊椎動物の初期発生の過程あるいは特定の粘膜組織において、物質の輸送や体液の循環に寄与していることが知られている。2
細胞生物学的な観点から見ると、鞭毛上皮細胞の鞭毛運動はアデノシン三リン酸(ATP)のエネルギーを利用して駆動されており、微小管および関連するモータータンパク質であるダイニンが中心的な役割を果たしている。2
また、これらの細胞は単に機械的な液流を発生させるだけでなく、周囲の環境変化を感知する受容体としての機能や、分泌顆粒を放出して粘液を産生するといった分泌活動を兼ね備えている場合もある。1
医学および解剖学的な研究においては、線毛上皮細胞など近縁の細胞群とともに呼吸器系や生殖器系などの管腔器官の内面を保護し、異物の排除や配偶子の輸送といった生体の維持に不可欠な生理的機能を担う重要な構成要素として解析が進められている。2