HEALTH WORDS / 用語解説
APOBEC3B
Apolipoprotein B mRNA editing enzyme catalytic subunit 3B
APOBEC3Bとは、ヒトの第22染色体上に位置する遺伝子にコードされ、DNAおよびRNA中のシトシンをウラシルへと脱アミノ化する酵素ファミリーに属するDNAシトシンデアミナーゼである。1
本酵素は、主にウイルス感染に対する宿主の自然免疫応答において、ウイルスのゲノムに変異を導入することでその複製を抑制する抗ウイルス活性を持つシチジンデアミナーゼの一つとして機能することが知られている。2
一方で、APOBEC3Bの過剰な発現や活性化は、宿主細胞自身のゲノムDNAに対しても意図しない変異を誘導し、遺伝子変異の蓄積を引き起こすことが明らかにされている。2
近年のがん研究において、APOBEC3Bは様々な悪性腫瘍の発生や進行、特に乳がんなどのゲノム不安定性や体細胞変異シグネチャーの主要な発生源の一つとして深く関与していることが報告されている。3
さらに、乳がん患者の腫瘍組織におけるAPOBEC3Bの異常な発現上昇は、予後不良や治療抵抗性の獲得と相関する傾向があるため、新たなバイオマーカーや分子標的薬の開発に向けた治療標的としても注目を集めている。3
参考文献・出典
- Entrez Gene: APOBEC3B apolipoprotein B mRNA editing enzyme catalytic subunit 3B [Homo sapiens (human)] - Gene - NCBI: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/9582 ↩
- APOBEC3B - Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/APOBEC3B ↩1 ↩2
- APOBEC3B mRNA expression is a predictor of poor survival in ER-positive breast cancer - PMC: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3682977/ ↩1 ↩2