HEALTH WORDS / 用語解説
CXCL2
CXCL2とは、ケモカインファミリーに属するサイトカインの一つであり、主として炎症性細胞の遊走や活性化を誘導するタンパク質である。1 かつてはマクロファージ炎性タンパク質-2アルファ(MIP-2アルファ)や好中球活性化タンパク質-3(GROベータ)といった名称でも呼ばれていた歴史がある。2
分子生物学的な特徴として、CXCL2の遺伝子はヒトの第4染色体上に位置しており、近縁のCXCL1やCXCL8(インターロイキン-8)などの遺伝子群とクラスタを形成して存在している。3 この遺伝子から転写・翻訳された前駆体タンパク質は、細胞外へ分泌される際にシグナルペプチドが切断されて活性型の分子となる。4
CXCL2の主な受容体はCXCR2であり、この受容体を介してシグナル伝達経路を活性化する。4 特に好中球の走化性を強く誘導する作用を持っており、生体内に細菌などの病原体が侵入した際や、組織が何らかの障害を受けた初期段階において、免疫防衛の最前線へ白血球を迅速に集積させる中心的な役割を担う。3
さらに、CXCL2は急性炎症応答だけでなく、組織修復や血管新生のプロセスにも深く関与していることが知られている。4 近年の医学および薬理学の研究においては、がんの微小環境や腫瘍の増殖・転移、さらには様々な慢性炎症性疾患の病態形成におけるCXCL2の関与が注目されており、新たな治療標的としての解析が進められている。3
参考文献・出典
- ナショナルセンターで利用可能な遺伝子情報データベース - NCBI: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2920 ↩
- 欧州バイオインフォマティクス研究所 - UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/P19875/entry ↩
- NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2920 ↩1 ↩2 ↩3
- UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/P19875/entry ↩1 ↩2 ↩3