HEALTH WORDS / 用語解説
EDTA-2Na
Disodium edetate dihydrate
EDTA-2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩)とは、キレート剤として広く用いられる有機化合物であり、金属イオンと安定な水溶性の錯体を形成する性質を持つ化学物質である。1
化学構造としては、エチレンジアミン四酢酸にナトリウムが2分子結合したものであり、通常は二水塩の形態をとる白色の結晶または結晶性粉末として存在する。1
医学および生物学の分野において、EDTA-2Naは血液学的検査における抗凝固剤として極めて重要な役割を果たしている。2
採血時の血液凝固を防ぐ仕組みとして、血液中のカルシウムイオン($Ca2+$)とキレート結合を形成してこれを不活化することが挙げられる。2
血液凝固因子の多くはカルシウムイオンの存在下で活性化するため、これを遊離しない形に固定することで凝固カスケードを遮断し、血球の形態を保ったまま血液を液状に維持することができる。2
この特性から、全血を用いた血球計算や白血球分類などの血液検査において、採血チューブ(真空採血管など)の添加剤として標準的に利用されている。2
また、細胞生物学や分子生物学の実験においても、金属イオン依存性の酵素(DNAを分解するヌクレアーゼなど)を阻害する目的や、細胞培養における洗浄液やキレート化試薬の成分として活用される。1
薬理学および臨床医学の領域では、高カルシウム血症の治療や鉛中毒などの重金属中毒に対するキレート療法の有効成分、あるいは医薬品の安定剤や添加物としても応用されてきた歴史がある。2
しかしながら、生体に対する毒性や細胞への影響も無視できず、高濃度での細胞毒性や粘膜刺激性が知られているため、取り扱いや使用濃度には厳密な管理が求められる。1